憧れの彼と、イイ仲になりたいんです！

午後の話し合いが始まる前に課長に『何て言ったんですか？』と聞いてみたんだけど、シークレットだから…と返されて、何も教えてくれなかったんだよ」


同じ営業グループの女子達の話題に切り替えられ、ホッと安心しながら、「それが何も」と教えた。


「普段と変わりない雰囲気だったんです。別に無視もされなかったし、休憩時間のあれは一体何だったの？ってくらいに普通に仕事を始めて…」


課長はどんな風に彼女達を丸め込んだんだろう。

分からずに首を傾げると、坂巻さんは、自分にもあまりくっ付いてもこず、お陰で仕事はし易かった……と振り返った。


「小山さんは見かけに寄らずダークだからな。案外、俺達が知らないネックな部分をガッチリ掴んでたのかもしれないな」


敵に回すと一番怖い相手だと微笑む彼に、そんな怖い人だったんですか！？と新ためて知り目を剥いた。


「小山さんだけじゃなくて、俺にもそんな部分があるかもしれないじゃん。オフィスでは結構外面良く見せてるけど、案外と厄介で、嫌な人間かもしれないよ」


お冷で喉を潤しながら、意地悪く自分をアピールしだす彼。