憧れの彼と、イイ仲になりたいんです!
(どうして、こんなことに?)
人波を潜り抜けるように歩く坂巻さんの後ろをついて行きながら、まだ信じられずに呆然としていた。
彼の手はまだ私の二の腕をしっかり握っていて、いつになったら離してくれるのか、見当もつかない感じだ。
(まさか、本当に私と話したいの?これまで一度だって、会話らしい会話をしたこともないのに)
挨拶程度しかしてこなかった。
「おはようございます」と「お疲れ様です」くらいのものだ。
それが急に話すと言っても、何を話したらいいのか……。
(そもそも、飲み会を抜けて主任と二人で話してたなんてバレたら…)
ゾッとする様な寒気が襲う。
学生時代のトラウマが蘇り、パッと腕を引き離してしまった。
そのまま立ち止まる私を振り返る坂巻さん。
そんな彼を視界に収め、ぺこんと頭を下げた。
「すみません、私、帰ります!」
ダッシュでエレベーターを目指す。
意気地がない自分を胸の中で罵りながら、ひたすらそこに向けて走った。
(バカな私。折角主任の方から話そうと言ってくれたのに)
人波を潜り抜けるように歩く坂巻さんの後ろをついて行きながら、まだ信じられずに呆然としていた。
彼の手はまだ私の二の腕をしっかり握っていて、いつになったら離してくれるのか、見当もつかない感じだ。
(まさか、本当に私と話したいの?これまで一度だって、会話らしい会話をしたこともないのに)
挨拶程度しかしてこなかった。
「おはようございます」と「お疲れ様です」くらいのものだ。
それが急に話すと言っても、何を話したらいいのか……。
(そもそも、飲み会を抜けて主任と二人で話してたなんてバレたら…)
ゾッとする様な寒気が襲う。
学生時代のトラウマが蘇り、パッと腕を引き離してしまった。
そのまま立ち止まる私を振り返る坂巻さん。
そんな彼を視界に収め、ぺこんと頭を下げた。
「すみません、私、帰ります!」
ダッシュでエレベーターを目指す。
意気地がない自分を胸の中で罵りながら、ひたすらそこに向けて走った。
(バカな私。折角主任の方から話そうと言ってくれたのに)