憧れの彼と、イイ仲になりたいんです!
ボソッと耳元で囁くものだから息が触れる。
こっちはそれにも胸が弾み、その姿勢のままで呆然と足元の床を見た。


「諸住さんとまた話せると思うと嬉しいよ。これで午後からの仕事も頑張れる」


数人分の足音が聞こえだし、それに気づいた彼は「また後で」と言いながらデスクへ向かう。

彼が離れると私はヘナヘナと椅子の上にお尻を落とし、ストン…と気が抜けるみたいに着席すると、クタッ…とデスクの上にうつ伏せた。



(……今のは何?)


部署内に人が来て賑やかになり始める中で考えていた。

私はまだ夢見心地で、今のは夢じゃないよね?と思い出しながら、ぼうっとしていた。



(頬を抓ってみるか)


少しくらいの力じゃ痛くもないだろうから、思いきりぎゅっと抓ってみよう。


親指と人差し指と中指の三本で頬の肉を摘む。
捻りながら力を加え、痛みで目が細まるまで力を込めた。



(痛い!夢じゃない!)


手を離して頬を撫でる。

本当に私、坂巻さんと話した。
話したと言うよりも叫んだだけだったけど、取り敢えずなんか約束みたいな言葉を言われた様な__


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