憧れの彼と、イイ仲になりたいんです!
さらりと褒めると直ぐにシートベルトを締めるように促す。
彼の視線は前に向き直り、ハンドルを操作して走り始めた。


「早く行かないと駐車場が無くなるってネットの書き込みにあって。時間には早いけど行って待ってようと思って正解だった」


待ち合わせ時間よりも二十分以上早い。
彼は一体、どれくらい前からあそこに待機してたんだろう。


ちらっと横目で彼を見た。

淡いグレーのTシャツの上に白い半袖シャツを重ね、ネイビーのクロップドパンツを穿いた姿は爽やかで、イケメンな彼によく似合ってる。

それにいつもは横に流している前髪を上げて、顔がよく見えてる。

キリッと整えられた眉毛も、二重瞼の瞳も筋の通った鼻や口角の上がった唇さえも、そのヘアスタイルには合ってて素敵。


(こんなにカッコいい人だったんだ…)


本当に実感。
これならオフィスでも女子に囲まれて当たり前。


(そんな人が私と花火大会へ行くなんて、もう一生ない奇跡かも…)


そう考えるとハードルが更に高くなる。
ドキンドキン…と胸が弾んできて、余計に息が苦しい。


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