【完】武藤くんって甘くない
「時間切れ」



わああっ、あたしのバカ!



せっかく武藤くんがその気になったのに。



武藤くんは広げていた手をあっさりと引っ込めた。



「うー…もう一回」



「は?」



ダメだよねぇ?



そんなのわかってる。



落ち込みながらも、武藤くんをじっと見上げておねだり。



「チッ」



あ、舌打ちされた。



…あれっ。



えええっ!



舌打ちをしたはずなのに、武藤くんがあたしを壁に追い詰めて、そのまま…。




不意打ちのキス!!



ちょっ…。



え、今のなに?



一瞬のことで、なにが起きたのか理解できない。



きっ…キスされちゃった!?



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