【完】武藤くんって甘くない
「大げさ」



「本当のことだもん。武藤くんのこと、大好きなの。あたしを彼女にしてくれて、ありがとう…」



ぺこりと頭を下げると、武藤くんはあたしを見て苦笑している。



「なんで?俺がお前と付き合いたいからだろ…そういう遠慮はいらねーから」



「武藤くんっ」



抱きつこうとすると、制止された。



「そこは遠慮しろよ。もうイエローカード」



レッドじゃないだけマシなの?



「意地悪~…」



「意地悪とかじゃねーの。ふたりっきりだし、お前思いっきり抱きつくし…歯止めがきかなくなりそう」



「武藤くんが!?」



「…今だけいいか」



武藤くんはその気になってきたのか、腰を引き寄せ軽く抱きしめる。



ドキドキする…。



武藤くんと、こんな恋人っぽいことができるなんて。



って、あたしは今、武藤くんの彼女なんだよね?




< 198 / 254 >

この作品をシェア

pagetop