腹黒上司が実は激甘だった件について。
でも確かにそう。
坪内さんは私のことをよく見ててくれる。

一緒に住んでみてよくわかったよ。
すごく細やかな気遣いをされているの、気付いてた。
お風呂だって先に入れっていうし、髪だって乾かしてくれる。
先に寝ちゃっても文句言わないし。
ご飯も美味しいって食べてくれる。
ちょっと疲れてると、作らなくていいって言って食べに連れていってくれる。
スーパーに行けば重い荷物を持ってくれるし、歩く速さも歩幅の狭い私に合わせてくれるんだ。

今だってそう。
こんなに優しい目で私を見てくる。
優しい声で心配してくれる。
それが、嬉しくてたまらないの。

「どうした?」

会社では見たことのない、優しい王子様の顔。
私だけに見せてくれてるって信じてもいい?
まだ私のこと、好きだって思っててくれてる?

ああ、何だか涙が出そう。

私は布団を頭までかぶった。

「秋山?」

坪内さんの心配そうな声が聞こえる。
とっても優しくてあたたかくて。

ヤバイな、ヤバイよ。
胸がきゅんきゅん締め付けられてヤバイ。
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