硝子の花片
「桜夜さんは…そんなに周りを見てて疲れないんですか?」

一通り好物や今の世の中の状況、新撰組について話し終えて私は桜夜さんに聞いた。

「え?」

桜夜さんはきょとんとした表情でこちらを見た。
何を言っているのかわからない、そんな表情にも見える。するとふっと柔らかく微笑み、言った。

「疲れは無いですよ。だって人のこと見るの楽しいんですよね、色々な個性があるから。」

そう言って笑った。
なんでそう思えるんだろう、わたしがひねくれてるだけなんだろうか。

「桜夜さんは、やはり面白い人ですね」

「それは褒め言葉として受け取りますね?」

私達は笑った。

外では桜の花たちも笑っている。
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