硝子の花片
「…総司ってさ、時々凄く苦しそうに魘されてるんだ。今朝みたいに…。あいつ早起きだから、遅いなって思ったら、苦しそうにもがいてるんだ。俺には汗を拭いてやったり傍で目覚めを祈る事しか出来なかった。総司の苦しそうにしてる顔、見たくないけど、苦しい時傍にいてあげなきゃさ、寂しいじゃん?」

平助くんは悲しそうに笑った。無理して笑っているようにも、自分を嘲笑しているようにも見える。

(ああ、だから今朝部屋に来たんだ。…どんな気持ちで今朝部屋に来たんだろう…)

平助くんの気持ちを考えると心臓がキリキリと締め付けられるように痛んだ。

「…でも今日は良かったよ。桜夜が居てくれて。きっとさ、桜夜は何か不思議な力を持ってるんだよ。俺も桜夜となら何でも話せる気がする。…俺も桜夜に救われてるんだな、あはは。…だからさ、総司の事も救ってやって。前も言ったけど1番近くであいつを見てやれるのは桜夜だからさ。」

平助くんはふわっと優しく笑った。
その笑顔は妙に大人びて見えた。

「…分かりました。でも、何で沖田さんは魘されるんですか…?」

私が聞くと平助くんはまた悲しそうな、でも懐かしそうな顔をして話してくれた。沖田さんの過去を





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