君が眠る時には

あおと仲いい女の子は雪ちゃんだけだ。


雪ちゃんは見た目もチャラチャラしてるし軽そうだし、どーせあおのことそれほど大事な訳じゃないんでしょ。


そんな人があおのそばにいるとか、ありえないから。


それに、私が「またね」って言った時の顔って言ったら悲惨なものだった。


あんなにビクビクしてる子なんかに負けない。


私は次の日あおが寝てるのを見計らって、病室の前で雪ちゃんが来るのを待った。


そして、下を向きながら歩いてくる雪ちゃんを見つけた。


「ねぇ」


そう声をかけると、雪ちゃんはあたりを見回した。


自分に話しかけられてるわけじゃないと思ってる?


ばかみたい。


「な、なに?」


「葵は寝てる。だからちょっとお話しない?」


迷っているようだったけど「いいでしょ?」と言うとしぶしぶ承諾してくれた。


雪ちゃんを普段人が来ない中庭に連れていった。
< 123 / 187 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop