君が眠る時には
あおと仲いい女の子は雪ちゃんだけだ。
雪ちゃんは見た目もチャラチャラしてるし軽そうだし、どーせあおのことそれほど大事な訳じゃないんでしょ。
そんな人があおのそばにいるとか、ありえないから。
それに、私が「またね」って言った時の顔って言ったら悲惨なものだった。
あんなにビクビクしてる子なんかに負けない。
私は次の日あおが寝てるのを見計らって、病室の前で雪ちゃんが来るのを待った。
そして、下を向きながら歩いてくる雪ちゃんを見つけた。
「ねぇ」
そう声をかけると、雪ちゃんはあたりを見回した。
自分に話しかけられてるわけじゃないと思ってる?
ばかみたい。
「な、なに?」
「葵は寝てる。だからちょっとお話しない?」
迷っているようだったけど「いいでしょ?」と言うとしぶしぶ承諾してくれた。
雪ちゃんを普段人が来ない中庭に連れていった。