君が眠る時には

「私ね、昨日あおに振られちゃったの」


ん……?


美月ちゃんの言っていることがしばらく理解できなかった。


振られた?


美月ちゃんが葵に振られたの?


葵が美月ちゃんを振ったの?


「昨日、扉の隙間から私たちのこと見てたんでしょ?見えてた」


「え、あ、ごめん」


気づかれてたんだ…。


「ううん。ちょうどいいと思ったの。私とあおが仲良いってとこ見せつければ、雪ちゃんが諦めると思ったから」


うん。


美月ちゃんはそーゆー子だ。


ほかの人を蹴散らしてでもあおを手に入れようとする子。


でも、なんでだろう。


今はそんなふうには見えないや。
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