君が眠る時には

「だからあおに思い切って告白したけど……振られちゃった」


美月ちゃんはそういって苦笑いをした。


「だからね、最後にお願いしたの。子どもの時みたいに抱きしめてって。それを雪ちゃんが見ちゃっただけなんだよ」


なにそれ…。


じゃあ私はずっと勘違いしてたってこと?


勘違いしたまま葵を諦めようとしてたってこと?


よかった…。


本当のことが知れてよかった。


「雪ちゃん」


「なに?」


「ほんとにごめんなさい」


そういって美月ちゃんは頭を下げた。


あのプライドの高い美月ちゃんが。


「美月ちゃんがライバルの私には謝るなんて、そんなことしないでよ。葵のこと大好きだからこその行動だったんだから、いいんだよ」


私がそう言うと、美月ちゃんはふわりと笑った。
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