君が眠る時には

うん、笑った顔の方が可愛いよ。


さすが美少女。


「でもね雪ちゃん、私たちはもうライバルじゃないよ」


「?」


「私、あおを諦めることにした」


その宣言に、さっきほどではないものの、かなり驚いた。


「なんで!?」


自分でも驚くほど大きい声が出た。


「私はあおには不釣り合いなんだよ。諦めた方が気も楽だし」


「そんな理由で諦めるの?」


「え……」


私の低い声に戸惑いを見せる美月ちゃん。


「不釣り合いだから諦める?気が楽だから諦める?それが私に宣戦布告までした美月ちゃんなの?あおへの気持ちはその程度のものじゃないでしょ」


「え、雪ちゃん…?」


廊下を通る人がこちらをちらちらと見ているけど、そんなことは気にしていられない。
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