君が眠る時には

大丈夫。


きっと大丈夫。


何があっても大丈夫。


私はそばにいるから。


私が葵を守るから。


そんな想いを込めて握り返した。


友達とは違う、恋人でもない、ただちょっとした知り合いなだけ。


そんな私たちが手を繋いでる。


お互いを想いやって。


この手は離したくない。


葵とも離れたくない。



でもそんな願いは叶わない。


神様は叶えてくれない。


汚れてる私への罰なのかな?


出会いがあれば別れもある。


それを、私たちは忘れていたんだ。


いつまでも一緒なんだと思い込んでた。


別れはすぐそこまで来ているのに……。


2人を引き裂く運命は、いつもそばにいるのに……。



それを、この時はまだ知らない。


私たちは、切なくて、もどかしくて、悲しかった。
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