君が眠る時には

苦手なタイプ


「遥やっときた……って、だれ?」


いきなり病室に入ってきた私を見つめる弟さん。


私が来ること伝えてたとかじゃないんだ。


「昨日、葵が会いたいって言った人だよ」


遥さんがそう説明しても、分かってないみたい。


首をかしげて私を見つめている。


「駅前にいた女の子の話したじゃん」


そう付け加えると急に瞳が大きくなった。


「あーーーあの人か!」


思い出してくれたようで何より。


「でも俺、会いたいなんて言ってないけど」


……はい?


「え、いやいやいや。面白そうだな〜、会ってみたいな〜、とか言ってたじゃん」


私のあきれ果てた顔を見て、遥さんが必死にフォローする。
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