君が眠る時には
突然の質問に意味が分からないと言った様子。
「そんなんしらねーよ」
「教えてあげる。そういう人達はね、なにか辛いことがあって心が不安定な時に、ものを食べるとかリスカをするとか、それをやることで精神の安定を保ってるんだよ」
「だから?」
「私の援交も同じ。一瞬だけでも誰かに必要とされることで、心を安定させてるの。
だから、辞めろとか言われても聞かないから」
早口でまくし立てるように言った。
「俺には雪の精神が安定してるようには見えないけどな」
なにそれ。
その言葉は私をさらにイライラさせた。
「情緒不安定だって言いたいの?」
「ちがうよ」
私だけがイライラしてて、葵は平然と話している。
その余裕にもむかつく。
「俺には、援交をすることで精神が安定する。自分にそう言い聞かせてるようにしか見えないんだ。本当は違う。援交をするとこで、雪は傷ついてる」