君が眠る時には

「遥になんか言われたなら気にしなくていい。やめなくても…いや、辞めてほしいんだけど、雪には雪なりの事情が…できれば辞めてほしいけど…」


珍しく慌てている葵を見てつい笑ってしまった。


「なんで笑うんだよ。俺は本気考えてるんだぞ」


「うん、ありがとう。私も本気で考えた」


「そっか、なら応援するけど…」


「…けど?」


「遥になんていわれたの?」


「んー…"葵のストレスになるから援交をやめて欲しい。お金が無いなら僕が養う"的なこと」


遥さんに言われたままのことを伝えると、不満そうな顔になって


「遥のやつ、なんもわかってないな」


と呟いた。


「雪、傷つけてごめんな」


私は再び謝られた。


だからなんで葵が謝るの?


「自分で言うのもなんなんだけど遥の言葉は、雪を助けるためじゃなくて、俺のためだけに雪の行動を制限しようとしてるように聞こえる」
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