君が眠る時には
「んー…」
悩み事といえば悩み事だけど。
それが原因で不整脈が出たわけじゃないと思う。
「……雪ちゃんとなんかあった?」
さすが遥だ。
雪が面会の時間にいないこともあるのだろうが、相談所を経営しているだけあって鋭い。
「それが原因かもな」
遥の顔は険しかった。
遥は意外にも過保護なところがある。
誰にだってそうだけど、特に病気を持ってる俺に対する気遣いは半端じゃない。
このまま放っておいたら雪に何か言うかもしれない。
あいつは今傷ついてるんだ。
俺のせいで…。
追い打ちをかけるようなことはしたくない。
「雪のせいじゃないから。あいつに何も言わないで」