君が眠る時には
「あーおいっ」
「雪…」
いつもより元気だな。
その笑顔は俺の検査結果がいいものだって信じてるからなんだろう。
俺はいつもより元気がない。
検査結果を知ってるから。
雪とさよならしようって、決めたから。
「葵、落ち込んでるの?」
「いや…」
「どーしたの?私でよかったら聞くよ」
俺を心配そうに見つめる顔が愛しい。
いつの間に雪をこんなに好きになっていたんだろう。
もし、あの時廊下に出なかったら……。
もし、あの時看護師さんの話を聞いていなかったら……。
俺は雪と笑えていたかな。