君が眠る時には

今ここで心臓が止まって、もう二度と意識が戻らなくたっていい。


最後に思い浮かぶのが雪の顔なら、俺は死ぬのも怖くない。


このまま後悔し続けて、辛い日を過ごすだけなら、生きていたって意味ないじゃないか。


俺たちは、お互いを傷つけあうためだけに出会ったのかな。


だとしたら、こんな運命嫌いだ。





少しして病室を訪ねてきた遥に、俺は何もかもを話した。


検査結果を聞いてしまったこと。


雪に対する想い。


それゆえあいつを突き放したこと。


「ばかだな、葵は」


「うん」


「今更後悔したってやり直せないのに」


「うん」


遥も遥で色々経験してきたから、俺の思いが分からない訳では無いんだろう。


「未来(みく)に会いたいな…」


遥はピンキーリングを見つめてそういった。
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