君が眠る時には

嘘だよ。


「何がそばにいるだよ…何が支えるだよ…。雪には何も出来ないくせに!」


俺はずっと雪に支えられてきた。


雪がいなきゃ生きてこれなかった。


「帰れ。もう二度と来るな」


ごめんな……。


走って病室をあとにする雪を、追いかけることはしなかった。


そのあと俺はひたすら泣いた。


呼吸をする間もないくらい泣いた。


心臓がズキズキといたんだけど、気にならない。


あいつの心の方がもっと痛いんだ。


心の中で「ごめん」をひたすら繰り返す。


言わなきゃ伝わらないのにな。


もういやだ。


いっその事…死んでしまえばいいのに。
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