君が眠る時には

可愛らしく手を振る美月ちゃん。


病室から出ていく寸前で私の方をふりかえった。


「雪ちゃんも、またね」


葵に向ける笑顔とはまた違う笑顔。


「あ、ま、またね」


ほんとはまた、なんてありたくないけど。


いきなり声をかけられてびっくりした私は、思ってもないことを言ってしまった。


「雪、立ってないで座れよ」


「うん」


美月ちゃんにロックオンされちゃったかな。


まぁ女同士だからわかるよね。


好きな人が同じだと、とくに。


誰が誰をすきかなんて。


誰だ誰を目で追っているかなんて。


一瞬でわかっちゃうんだよ。
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