はちみつドロップス
「最初はいけ好かないとか思ってた。女子から人気ある癖に全く興味ないし……サッカー馬鹿だなって」
打倒兄貴に燃えるサッカー馬鹿に、勿体無い青春の送り方をしてると余計なお節介をしていたのが涼希。
「多分、俺自身にはそんな熱くなれるものが無かったから……今思ったら羨ましかったのかも」
ガキくせぇ~と空笑いする涼希に、涼姫は柔らかい顔で相槌を打っている。
あの頃は、外見に惹かれて自分に寄ってくる女の子と適当に付き合っては別れ……そんなことを繰り返していた。
「俺がそんなことばっかりしてるから、雄楽に言われた。ちゃんと好きにならないから続かないって」
腹の中で、サッカー馬鹿の癖にって反発して聞く耳を持たなかった。
けど……、雄楽はちゃんと見つけていた。
聖梨という、心から好きになった人を……。
「…………」
思わず言いかけて慌てて口を噤んだ。
話に夢中になって墓穴を掘りそうになった自分がに笑けてくる。