暴君陛下の愛したメイドⅡ【完】


どうやらここでは流通していないらしく、これを取り寄せた時は外交の部署から不審な目で見られたけど……………………これ毒じゃないから!!

あ、それとなぜ私がお茶と言いなおしたのかは、その飲み物の効能にある。

昔、不治の病にかかってしまったマイルノワーゼという貴族が欠かさずこの薬草で作った飲み物を飲んでいたところ何と完治し、それから薬膳茶として広まったみたいで、元は苦味のあるお茶だったみたい。


「……………と言うことでございます」

一通り説明すると王子様は再び興味深そうな表情をした。

きっとこのお茶が気に入ったのだろう。

「私も最初勧められた時は驚きましたが、今では好んで飲んでおりますの」

深みのある赤色は、何と言うか王子様の髪色と少し似ている。

「確かにこれは美味しいな〜。それに身体にも良いなんて驚きやわ(笑)」

「アニは本当に物知りで頼もしい私の侍女ですわ」

ティータイムではほとんど、お茶と園庭の話で終了した。



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