暴君陛下の愛したメイドⅡ【完】
「………………本当は余もついて行きたいところだが、ファンの奴が煩いのでな。念の為護衛の騎士を数名付かせるつもりだが、気をつけてゆくが良い」
「数名も………ですか!?」
騎士を引き連れて家になんか帰ったりしたら、村で浮いてしまうし、家族にも何事かと思われてしまう。
「騎士など付かなくても大丈夫でございます…!」
「ダメだ。以前の事を忘れたのか?攫われそうになってたではないか」
必死に断る私を見て、陛下は軽くため息をつく。
確かに攫われそうにはなったけど………そんな知らない人を家に何て連れていけば何て言われるかも分からない。
せめて……………………
「騎士は1人だけにしてください!たくさん連れていけばそれこそ目立ち、かえって危険にあいかねませんので……」
1人であれば何とか誤魔化すことができる。
「……………仕方ない。では、護衛の騎士は1人とする」
必死にそうお願いすると、陛下は渋々ながら許可を出してくださり、
こうして私は護衛の騎士1人と共に実家へ帰省する事が許された________。