暴君陛下の愛したメイドⅡ【完】


「楽しみ……!約束ね!!」

「はい。約束致しましょう」

実物は見せれないかもしれないけれど、写真でも載っていれさえすれば見せる事は出来る。

こんなに楽しみにしているスフィア様に是非とも探し出し、見せてあげたい。


最初こそは隙を見て早くこの場を逃げ出したいと考えていた私だけど、今はどうだろうか…。

確かにアンディード帝国が恋しいし、陛下にも会いたい。そして、皆にも会いたい。

けれど今ここを離れてしまったら……スフィア様はどうなってしまうのだろう。

まだ嫌がらせは続いている。

今は何とかやっていけているが、更に悪化してしまったら。私が居なくなったことで、前のスフィア様に戻ってしまったら……。そう思うと今はここを動けない。

今、スフィア様の下で支えてあげれるのは私だけだ。


だから、もう少しだけ待っていて下さい。


陛下――――――――………。


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