暴君陛下の愛したメイドⅡ【完】


「陛下の予定が空いたときに致しましょう。この後、料理長様と何やらお話になられるのでしょう?」

「そうであった。いつもなら後に回しても良いのだが、今回ばかりは早めた方がいい話だしな……」

何やら陛下が真剣な顔でそう言うものだから、思わず可笑しくて笑ってしまいそう。

確かに………………陛下は少し変わられたのかもしれない。


「……そろそろ私はこの辺で失礼致します。陛下の仰る通り、部屋の中で安静に致します」

お忙しい事だと思い私は話が終わったところで、陛下へお辞儀をしてその場を後にした。




そして、廊下にて

「そうだ、サニー。図書館へ寄ってから部屋へ戻ろう」
 
後ろに控えるサニーへ向かって声を掛けた。

安静にするにはやはり本は必須よね!

何か良い本を探して部屋へ戻ろう。


幸いにも図書館には誰もおらず貸し切り状態で、私は気になる本を手にとってはサニーへ渡す。

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