暴君陛下の愛したメイドⅡ【完】
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「……………何だか今嫌な予感した」
一方ここは宮殿の執務室。
いつものように陛下は資料が山積みになった机に向かい、仕事をなさっていた。
「嫌な予感というと?」
ちょうど居合わせていたファン宰相は手に持った資料に目を向けつつ、陛下にそう問いかけた。
「妃に何か起こったような、そんな感じだ」
「お前は心配し過ぎだ。お妃様にはあの騎士がついているのだから、仮に襲われたとしても無事だ」
「………確か今回護衛につけたのは第2騎士団団長のクレハ・アリス・エラストマーだったな」
「お妃様が沢山の兵士や騎士などは必要ないと申したからあの者をつけたのではないか……。まだ若いのに人の上に立つ威厳や剣術が非常に優れており、宮殿の騎士団選抜試験には余裕の合格。例外とまで言われた男だ。さすがあのエラストマー家さ」
クレハは代々宮殿の騎士として仕えてきたエラストマー家の長男で大学を卒業しここへ就職した為、まだそこまで年月は経っていない。
それなのに実力で上へ這い上がり、今では第2騎士団を任せられているのだから大したものだ。
これも家系の血というやつなのか………………。