暴君陛下の愛したメイドⅡ【完】
「だとしても心配でならぬのだ。無論クレハは信じておるが、何せ正義感の強い妃がゆえ変なことに首を突っ込まないかと不安になる」
そうため息をつくと机の上に頬杖をついた。
「……しかし本当人って変わるものなのだな。あのリードがここまで人を心配するなんて昔じゃ考えられねぇよ」
「……………何が言いたい?場合によっては地下牢に押し入れるぞ」
「それは怖いな……(笑)ただ昔のお前からずっと見てきた俺がそんなくだらない事を思っただけさ」
兄弟達は1人残らず皆殺して王位につき、持ち合わせたその実力で血に染まった王とまで呼ばれた昔と、
リードを悩ませる過去の記憶から妃は作らないであろうと思っていたのに、1人の女を愛してこのように悩む現在……。
実に時の流れと言うのは不思議なものだとファンは心の中でそうしみじみ思った。