たとえ、この恋が罪だとしても。
光太郎と顔を見合わせ、音がした方向を向いた。
「あんたたち、今日から高校生になったんでしょ?少しは近所迷惑ってものを考えなさい」
「「…」」
そう怒りを込めて言ったのは、さっき玄関で別れを告げたはずのお母さん。
家の目の前で言い合いをしてしまったため、家の中から出て来てしまった。
「真優、入学式に遅刻したらあなただけじゃなくて、同じ学校の涼真も恥かくのよ。光太郎くんも、涼真を追いかけて同じ高校にしたんでしょ?遅刻したらきっと、ガッカリするわよ」
「…すいません」
光太郎も私と同じように、お兄ちゃんを追いかけて同じ高校にした。
どんだけ、お兄ちゃんが好きなんだよー…って、私も人のこと言えないけど。
「ほら早く行きなさい!本当に遅刻するわよ!」
「い…いってきます!」
お母さんに尻を叩かれるように、駅に向かって走り出した光太郎。
「真優も!!!置いてかれるわよ!!」
「はーい」
その後を追うように、走り出す。
入学式早々からこんな感じで、大丈夫なのかなー…と、思いながら駅に向かって走った。