黒豹プリンスと傷だらけのプリンセス
戦いの地……王城の敷地境界へ、兵士を乗せた沢山のペガサス車が向かっていた。

ペガサスはパンターの動物で、アルビンやヴォルブには生息しないらしい。

だから、空中戦はパンターの黒豹の血族が最も得意とするところだという。

私も身を防御するための装備をつけて、レオパードの隣について戦いの地へ向かった。


「ねぇ、レオパード」


私は隣のレオパードの方を向いて、そっと囁いた。


「サーバルを……このアルビンを守って。いや、守りましょう。絶対に……」


レオパードは真剣な眼差しを真っ直ぐに向けてくれて、かたく頷いた。

そんなレオパードに、私は自分の想いを語った。


「私はパンターのプリンセスで、アルビンの国の姫でもあった。だから……私も戦わないといけない。だから、レオパード。私にも戦わせて」


すると彼は、荘厳な防護衣に身を包みながらも白い歯を見せて苦笑いした。


「そうですね。あなたには、『ダメだ』と言っても、聞き入れてくれそうにない。だから……」


彼は真っ直ぐに進行方向を見た。


「私と一緒に、アルビンのため……ウルフと戦いましょう。そして、絶対にサーバルプリンスを守るのです!」


そう話して真っ直ぐに前を向く彼は、とっても頼もしくて。

前世で、とは言え私はこの人の妻で良かった……そう思った。
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