黒豹プリンスと傷だらけのプリンセス
ここは、アルビンの王城、ブランの敷地境界。
ウルフ四天王の一人、ナエイハは大勢の兵士を連れていきり立っていた。
彼は四天王の中でも、地上で兵士達を率いて城へ突入する……そんな形での戦争を特に得意としていたのだ。
「我がウルフの軍よ。アルビンのちっぽけな王城なぞ、一捻りに潰してしまうぞ」
馬に乗った彼は軍の先頭に立ち、ブランの門を突き破るくらいの勢いで突進してきていた。
*
ペガサス車に乗って空から見下ろす私達は、黒い甲冑を装備した軍勢がブランへ向けて突撃してきているのを目の当たりにした。
「待ちなさい!」
レオパードの隣で私は声を張り上げた。
すると、軍の先頭のそいつは止まり……私達を見上げた。
「おぉ、黒豹のプリンスと白豹のプリンセス! 丁度よい、こちらからパンターへ攻め込む手間が省けた。アルビンの城を攻め落とす前に、お前らから始末してやろう」
ナエイハは右口角を上げ、歪な笑みを浮かべた。
「させるか!」
レオパードの全身は赤色に光り、その手からナエイハへ向かって赤色の光球が発射された!
しかし……
「えっ……」
私は一瞬、何が起こったか分からなかった。
「消えた……」
そう。
光球が発射された瞬間に、ナエイハはその場所から忽然と姿を消して。
光球はただ、地面を破壊して吹き飛ばした。
ウルフ四天王の一人、ナエイハは大勢の兵士を連れていきり立っていた。
彼は四天王の中でも、地上で兵士達を率いて城へ突入する……そんな形での戦争を特に得意としていたのだ。
「我がウルフの軍よ。アルビンのちっぽけな王城なぞ、一捻りに潰してしまうぞ」
馬に乗った彼は軍の先頭に立ち、ブランの門を突き破るくらいの勢いで突進してきていた。
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ペガサス車に乗って空から見下ろす私達は、黒い甲冑を装備した軍勢がブランへ向けて突撃してきているのを目の当たりにした。
「待ちなさい!」
レオパードの隣で私は声を張り上げた。
すると、軍の先頭のそいつは止まり……私達を見上げた。
「おぉ、黒豹のプリンスと白豹のプリンセス! 丁度よい、こちらからパンターへ攻め込む手間が省けた。アルビンの城を攻め落とす前に、お前らから始末してやろう」
ナエイハは右口角を上げ、歪な笑みを浮かべた。
「させるか!」
レオパードの全身は赤色に光り、その手からナエイハへ向かって赤色の光球が発射された!
しかし……
「えっ……」
私は一瞬、何が起こったか分からなかった。
「消えた……」
そう。
光球が発射された瞬間に、ナエイハはその場所から忽然と姿を消して。
光球はただ、地面を破壊して吹き飛ばした。