黒豹プリンスと傷だらけのプリンセス
「いや……何を言っているのか、さっぱり分からないです。私は香坂(こうさか) 麗。生まれも育ちも日本で、プリンスとかプリンセスとか、そんなのとは無関係のはずなのですが。それよりも早く、私を帰らせてもらえませんか?」
私は若干、キレぎみに答えた。
だって、本当に訳が分からないし、仕事の途中で全然知らない所に連れて来られて……どのくらい時間が経ったのかも分からないし、事務所へ連絡もせずにタイムオーバーで絶対に怒られる。
できれば一刻も早く、帰らせて欲しかった。
しかし、そのメイドは悲しげに話し始めた。
「そうですか……それはきっと、うららプリンセス様は異世界へ行かれた際に、転生してしまわれたのですね」
「はぁ? 転生?」
私は眉をしかめた。
だって、このメイド……悲しげに真剣な顔でそんなことを言うだなんて、電波系にもほどがある。
しかし、メイドはやはり、真剣な顔で続けた。
「この世界……黒豹の国、パンターから異世界へ行く際には、甚だしいほどのエネルギーをともないます。
そのため、レオパードプリンスも異世界へ渡られる際にはその影響を受けないほどのオーラを纏われるのですが、流石にあなた様と二人分はオーラが足りずに……あなた様はこちらへ来る際にはダメージを受け、レオパード様も大層お疲れで今も寝込んでおられるのです。
あなた様はあの時、たった一人で異世界へ渡られた……エネルギーの影響をもろに受け、その世界で転生されても無理もないことです。
そしてきっと、その世界はこちらとは時の流れが違いますので、レオパード様が渡られた時には丁度偶然に、あなた様はあの時と同じくらいのお年頃になられていたのでしょう」
私は若干、キレぎみに答えた。
だって、本当に訳が分からないし、仕事の途中で全然知らない所に連れて来られて……どのくらい時間が経ったのかも分からないし、事務所へ連絡もせずにタイムオーバーで絶対に怒られる。
できれば一刻も早く、帰らせて欲しかった。
しかし、そのメイドは悲しげに話し始めた。
「そうですか……それはきっと、うららプリンセス様は異世界へ行かれた際に、転生してしまわれたのですね」
「はぁ? 転生?」
私は眉をしかめた。
だって、このメイド……悲しげに真剣な顔でそんなことを言うだなんて、電波系にもほどがある。
しかし、メイドはやはり、真剣な顔で続けた。
「この世界……黒豹の国、パンターから異世界へ行く際には、甚だしいほどのエネルギーをともないます。
そのため、レオパードプリンスも異世界へ渡られる際にはその影響を受けないほどのオーラを纏われるのですが、流石にあなた様と二人分はオーラが足りずに……あなた様はこちらへ来る際にはダメージを受け、レオパード様も大層お疲れで今も寝込んでおられるのです。
あなた様はあの時、たった一人で異世界へ渡られた……エネルギーの影響をもろに受け、その世界で転生されても無理もないことです。
そしてきっと、その世界はこちらとは時の流れが違いますので、レオパード様が渡られた時には丁度偶然に、あなた様はあの時と同じくらいのお年頃になられていたのでしょう」