黒豹プリンスと傷だらけのプリンセス
*
ここはヴォルブ、リオン城。
「ナミプリンス様、私めをお呼びでしょうか?」
呼び出した兵士を見て、奈美はにやりと笑った。
「えぇ。お舐め」
「はっ……」
「だから! 足を舐めろって言ってんのよ!」
「ははぁっ!」
その男は筋肉も隆々で、ヴォルブの中でも最強の兵士と聞いている。
それなのに、今は間抜け面して足の裏を舐めるウルフの四天王の一人……ナエイハを見て、奈美は冷ややかに笑った。
彼女にとってそれは、気分の良いことこの上なかった。
何しろ、奈美がヴォルブに来てから、幾人ものウルフの男達が彼女に跪いて……彼女は彼らを奴隷として扱っていたのだ。
それはそう……麗の友人だった奈美。
彼女こそが、ヴォルブのプリンセス……その生まれ変わりだったから。
奈美は麗と時期を同じくして、ウルフの使者によってヴォルブに連れて来られた。
麗と違ったのは、彼女の本性によってさらけ出されたその態度。
彼女は大国のプリンセスであるのを良いことに、ウルフの男達を隷属させて、好きなように扱っていたのだ。
「ねぇ、そこのあなた」
彼女はナエイハに足を舐めさせながら、隣のウルフに艶やかな目を向けた。
「宝玉。赤いのと青いの……いつになったら手に入るの?」
「はっ。それは今、作戦を練っている所でして……」
すると奈美は豹変して……刺すように激しく、鋭い目を彼に向けた。
ここはヴォルブ、リオン城。
「ナミプリンス様、私めをお呼びでしょうか?」
呼び出した兵士を見て、奈美はにやりと笑った。
「えぇ。お舐め」
「はっ……」
「だから! 足を舐めろって言ってんのよ!」
「ははぁっ!」
その男は筋肉も隆々で、ヴォルブの中でも最強の兵士と聞いている。
それなのに、今は間抜け面して足の裏を舐めるウルフの四天王の一人……ナエイハを見て、奈美は冷ややかに笑った。
彼女にとってそれは、気分の良いことこの上なかった。
何しろ、奈美がヴォルブに来てから、幾人ものウルフの男達が彼女に跪いて……彼女は彼らを奴隷として扱っていたのだ。
それはそう……麗の友人だった奈美。
彼女こそが、ヴォルブのプリンセス……その生まれ変わりだったから。
奈美は麗と時期を同じくして、ウルフの使者によってヴォルブに連れて来られた。
麗と違ったのは、彼女の本性によってさらけ出されたその態度。
彼女は大国のプリンセスであるのを良いことに、ウルフの男達を隷属させて、好きなように扱っていたのだ。
「ねぇ、そこのあなた」
彼女はナエイハに足を舐めさせながら、隣のウルフに艶やかな目を向けた。
「宝玉。赤いのと青いの……いつになったら手に入るの?」
「はっ。それは今、作戦を練っている所でして……」
すると奈美は豹変して……刺すように激しく、鋭い目を彼に向けた。