黒豹プリンスと傷だらけのプリンセス
すると、レオパードはすっと目を閉じた。


「そう。ウルフは三種の宝玉を独占しようとしている。だから……パンターやアルビンに侵略するんだ」

「じゃあ、前世の私を嫁がせようとしたのも……」

「ああ。奴らの目的の大部分は宝玉だ」

「そんな……それで、アルビンのプリンセスだった『私』の肉親を!? 酷い、許せない!」


私の胸には嫌悪の炎が燃え始め……右手の甲に白い痣がぼんやりと浮かび上がり始めた。

それは……その怒り、悲しみ、憎しみは、私を別の何者かに変える。


しかし……


「うらら!」


レオパードが手の平で私のその右手をそっと包み込んだ。


「うららは……もうこれ以上、傷ついてはいけない」


レオパードのその手の温もりと……その温もりから伝わってくる優しさが、私の胸の奥をトクンと揺らした。


「私は必ず、ウルフからこの宝玉を守って……そして三種の宝玉を揃えて、うららの弟の命を助ける。だから、うららはもう傷ついてはいけない」

「レオパード……」


彼のその温もりが、私の心の一番柔らかい部分を包み込んで……

私は思わず、両腕で彼の身体を抱きしめた。

彼はそんな私の前髪をそっと上げて……唇を私の唇に重ねた。


「んっ……」


胸から溢れ出る、悲しいほどに温かい気持ち……それは、ひたすらに私に訴えかけた。

私はこの人……レオパードを心から愛しているんだって。
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