ソラ(仮)
例えば、そう。



翔太や颯太郎と4人でいる時だって、有沙と唯は全然喋らない。



それどころか、話の内容さえ聞いちゃいない。



…まあ、息もつかせぬ勢いで他の2人が喋っているし、



喋っている内容に中身は全くといっていいほどないのだが。



「…………」



「…………」



つまり、翔太と颯太郎がいないと、2人の間には会話がない。



まあ、それをなんとも思わないほど有沙と唯はマイペースなのだが。


周りでガヤガヤ騒ぐほどのお客もいない。



本当に静かな時間が流れる、



…のを打ち破るのは、電話の鳴る音。



机の上に置いていた、有沙の携帯が震える。



それに気付くと、有沙は一瞬表情を強張らせた。



が、表示された名前を見て、次はため息が出た。

< 14 / 30 >

この作品をシェア

pagetop