ソラ(仮)
「…出ねーの?」



唯は、チラッと有沙の携帯に目を向ける。



「面倒だから、いい」



そう言って、有沙はまた携帯を机の上に戻す。



その間も、携帯は鳴り続けるが無視する。



やがて携帯は、3度の着信を残し鳴り止んだ。















「聞きたいんだけど」



しばらくして運ばれてきた料理を食べながら、

目線は上げないまま唯が言った。



有沙の方は、唯を見る。



いきなり、なんだろう。



何か、したっけ?



有沙は、少し考えてみるが思い当たることはない。



…少し考えた、とは言え、考えてない、に等しいが。



「いつも、屋上の真ん中にいて、何してんの?」



ゆっくり。



顔を上げた唯と視線がぶつかる。

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