ソラ(仮)
「お前、マジで…」



「て、ていうか、唯くんは?!」



また、翔太の怒りの線が一本切れないうちに、思い出したかのように美里は聞く。



それも、正面にいる翔太じゃなくて

横に立って制服の袖を掴んでいる颯太郎に。



「あ、唯?唯はー…逃げたの。たぶん、有沙ちゃんと一緒」



「あ、唯くんは上手く逃げたんだ」



「唯は昔から要領がいいから」



落ち着いてきた2人に安心したように、手を離す颯太郎。



「しかも、あいつら電話出ねーし…」



「あ、それは最悪だ」



うんうん、と同意さはするように美里が頷き、颯太郎の顔には冷や汗が浮かぶ。



「…だから、最初からそう言ってんだろーが!!」



「…ちょっ、うるさーい!耳元で叫ばないでよ!」



今日何度目か。



始まった言い争いに、颯太郎は呆れて座り込んでしまった。

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