ソラ(仮)


「だから、なんでお前はいつも有沙に甘いんだよ!?」



「だぁって、親友だもんっ!!」



「…もー、2人いい加減にしなよー」



立って言い争ってる2人の間、座っている颯太郎。



飽きることなく続く3人の攻防。



そんな3人に近付く影が一つ。



「おい、お前ら!」



「あ、」



颯太郎があちゃー、と手の平を覆うと同時に



グイッと、



翔太は本日2回目、



美里は1回目、首を掴まれた。



「川ちゃん、痛いー」



振り返らなくても分かるこの威圧感。



担任以外にはいない。



「…お前らは、ここをどこだと思ってんだよ?」



「生徒指導室前だろ?そんなのも分からないほどバカじゃねー」



「じゃあなんで、お前らはここに正座させられてたか、は?」



「……」



ギロッと睨まれて、翔太はウッと言葉に詰まらせる。



さっきまでより、怒りが増している。



まるで、蛇に睨まれた蛙だ。

< 21 / 30 >

この作品をシェア

pagetop