ソラ(仮)
「だから、なんでお前はいつも有沙に甘いんだよ!?」
「だぁって、親友だもんっ!!」
「…もー、2人いい加減にしなよー」
立って言い争ってる2人の間、座っている颯太郎。
飽きることなく続く3人の攻防。
そんな3人に近付く影が一つ。
「おい、お前ら!」
「あ、」
颯太郎があちゃー、と手の平を覆うと同時に
グイッと、
翔太は本日2回目、
美里は1回目、首を掴まれた。
「川ちゃん、痛いー」
振り返らなくても分かるこの威圧感。
担任以外にはいない。
「…お前らは、ここをどこだと思ってんだよ?」
「生徒指導室前だろ?そんなのも分からないほどバカじゃねー」
「じゃあなんで、お前らはここに正座させられてたか、は?」
「……」
ギロッと睨まれて、翔太はウッと言葉に詰まらせる。
さっきまでより、怒りが増している。
まるで、蛇に睨まれた蛙だ。