ソラ(仮)
美里とのメールと同時に届いたメール。



“腹減った”



たった一言。



‘同居人’から届いたメール。



‘同居人’?



‘飼い主’の間違いか。



行き場のない有沙にとって、家を与えてくれる人間。



それが有沙にとっては苦痛なことであったとしても、今となっては手遅れだ。



もう、彼がいないとダメになってしまった。



こんなはずじゃなかったのに。



そんな思いがグルグルと有沙の頭の中を巡るがどうしようもない。



雑念を振り払うかのように、寝返りをうつ。



とにかく、メールを無視した事で機嫌を損ねているようだ。



まずは、その機嫌を直す事を考えなくては。



…きっと、いつもと同じことをされるのだろうけど。



結局、有沙に拒否権などないのだから。

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