ソラ(仮)






「おい、唯!起きろ」


翔太が唯の身体を揺らす。



「いーじゃん、唯、寝かしとけば」



颯太郎は、買ってきたお菓子を机の上に広げながら座る。



「ダメだっつーの、唯、起きろ!」



んー、と声を出して寝返りをうち、唯はゆっくり目を開けた。



「………」



寝ぼけ眼で、翔太と颯太郎の2人を確認すると、
クルッと反対を向き布団を被る。



「だぁー、唯、だから寝んなって」



ガバッと布団を剥ぐ。



それにも動ぜず寝続ける唯。



「もー、翔くん、諦めなって」



一度寝たら唯は起きないから、


颯太郎はそう言いながら、近くにあった雑誌に手を伸ばした。



翔太は腕を組んで、ベッドの前に仁王立ち。



どうしても、唯を起こしたいらしい。

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