強引な彼の甘い溺愛に囚われて!
どれにしようかな~…炭酸も美味しそう。
なんてブツブツ呟いてその中から4本の炭酸飲料を手に取ってお会計を済ませた。
せっかく買ったのに置きっぱなしにしてきてしまったカゴバッグも持ってくれば良かったなぁなんて思いながら冷えた飲み物を両手に抱える。
くるり、と足を返して凪君がわかりやすいようにトイレ付近で待ってようとした時だった。
「ねぇ君一人?」
「へ?」
ポンッと肩を叩かれて振り向くと、そこにいたのは長身のお兄さん。
…と少しイカツいサングラスをしたお兄さんの2人組み。
これは…まさか。
「そんなに飲み物抱えちゃって大丈夫?一緒に持ってってあげようか?」
ひょいっと私の腕の中にあった飲み物を取った。
「け、結構です!」
奪われた飲み物を慌てて取り返そうと手を伸ばすも、長身のお兄さんによってそれは叶わなかった。
これは…もしや、ナンパ?
ここに来るまでの間、ゆきのにいいだけナンパがどんなものかを教え込まれていた私。
だが気をつけるんだよ、と念を押されただけで対処法までは教えてもらっていなかった。