強引な彼の甘い溺愛に囚われて!
「そんな警戒しなくたって大丈夫だから。ほら一緒に行こう?」
そう言って私の肩に腕を回すサングラスのお兄さん。
冷や汗が背中を伝う。
さて、どうやって巻こう…
「オイ」
困り果てて俯いていると、後ろから低い地を這ったような声が聞こえた。
「その子、俺の彼女なんだけど。お兄サンたちどっか行ってくんない?」
「あ゛?」
長身のお兄さんの横から顔を覗かせると、そこには腕組をして眉間に眉を寄せた凪君の姿があった。
「やんのか、クソガキ」
サングラスのお兄さんが凪君の前にいって手の骨を鳴らした。
思わずひゅっと息を呑んでしまった。
「言っとくけど、俺強いよ?」
「ナメたこと言ってんじゃねぇよ」
舌打ちをして凪君に殴り掛かろうとしている。
それでも凪君は挑発的な態度を取るものだから、思わず目を瞑った。
すると、ヒュッと風を切る音と同時に地面が揺れた。
ピタリと音が止まったと思い恐る恐る目を開くと、ニッコリと笑顔の凪君がいた。
「凪君…?」
「マキちゃん目を瞑ってたのは正解。ごめんなー遅くなって」
そう言って私の前に来ると、隣に居た長身のお兄さんを睨みつける。