強引な彼の甘い溺愛に囚われて!
「いいの?あんたのダチ潰れてるけど」
「おおいっ!!!」
長身のお兄さんは真っ青になって凪君の横を通り過ぎると、倒れていたサングラスのお兄さんに駆け寄っていた。
思わず状況が飲み込めずえ?え?と周りをキョロキョロとし始めた私の肩に凪君の腕がかかった。
「気にしない気にしない」
「で、でもっ…」
砂浜に転がっていた、奪われていた飲み物を凪君が拾い上げるとそのまま私の肩を抱いてその場を立ち去ったのだった。
パラソルに戻ると、ゆきのと西野君が休憩していて私達に気づくと大きく手を振った。
「どこ行ってたのー?」
「あそこの海の家」
ゆきのの問いかけに凪君はくいっと顎で示してみせる。
そうだったの、とゆきのは頷いて私の腕の中の炭酸飲料に目をつけた。
「それ新発売のやつ!飲んでみたかったんだよねぇ~」
「あ、ちょっゆき……」
ありがとー!と言って私の制止も聞かずにキャップを回す。
すると炭酸飲料は勢いよく噴射したのだった。
「きゃぁああ!」
「あーあーあー…」
慌てて起き上がって炭酸飲料から手を離す。