強引な彼の甘い溺愛に囚われて!

きっと温泉から戻る際に売店で買ってきたのであろう。

6つの缶がテーブルの上にあり、もう2つはすでに空き缶へと変わっていた。

私が怒ると、2人は「ごめん、今日だけ見逃して?」と畳に土下座してみせる。

仕方ない…今日だけは何も見なかったことにしてあげよう、と溜め息をついて一言いいよと言った。

それを聞いたゆきのが私も飲む!と言い出したものだから、思わず怒鳴ってしまったのは言うまでもない。


気づくと私も一口、とコップに注がれた甘いカシスオレンジを飲んでいた。

気づかないうちにゆきのはどれくらい飲んでいたのか…

顔を真っ赤にして西野君にベッタリとしていたのだ。

思わず視線を逸らしたくなるような光景。

幸せそうなのはいいこと、親友のそんな姿を見れるのは嬉しい。

けどお酒を飲んだ席でそれはちょっと見たくないかもしれない…

それを察してくれたのか凪君がちょっと…と言って私の腕を引く。

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