独占したい、甘々に。【完】

私が一体、何をお願いされているのかというと…





「雨宮さんしか、この衣装を着ること出来ないのっ！」





そう言う彼女の手にはコスプレの衣装がしっかりと握られていた。





事の発端は30分前に遡る。





学校へと到着し、それぞれ担当ごとに準備をしようとしていると、クラスの女の子が急病で休むと連絡が入ったのだ。





その子は注文係担当の子なのだが、注文係は人数がギリギリなため1人でも欠けてしまうのは困るらしくて…





だからキッチンから誰か注文係に回ってほしいとお願いがきたわけだが、それがどうして私なのかというと…





「こんなに小さな衣装は雨宮さんしか着れないのっ！」





そう、サイズの問題なのだ。





今日休んでしまった子は私と同じくらいの低身長さんであり、つまりその子の衣装を着れるのは同じ背丈を持つ私しかいなかったのだ。