独占したい、甘々に。【完】
「確かに私は引っ越してからの悠乃のことを知らない。今の悠乃のことだって正直、まだ分からないことも沢山ある」





「紗雪…」





「だからこそ知りたいって思う。悠乃と同じ時間を過ごして、分からないことがなくなるまで、ずっと一緒にいたい。だって悠乃の一番の理解者は私だからっ」





勢いに任せて恥ずかしげもなく、そんなことを口走ってしまっていた。





それでも、何か我慢していたものが吹っ切れたような感覚だった。





…言っちゃった。





私は2人の顔を見ることが出来ず、ただジッと俯いた。





「雨宮さん‥‥やっぱり悠乃くんのこと」





「あっ私用事思い出しちゃったっごめん、先に帰るね」





何か言おうとした鶴見さんの言葉を遮り立ち上がっていた。





「紗雪っ!」
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