独占したい、甘々に。【完】
「あっ、そうだよね…」





悠乃に言われてハッとした。





つい、昔の悠乃だと思って言っちゃってた。


あれから成長したんだし…昔とは違うのに!





華奢だった体には、しっかり筋肉がつき、あのか細かった頃の悠乃とは違うんだ。





何だか申し訳ないことを言っちゃったと思った。





「紗雪、昔の俺じゃなくて今の俺を見てよ」





「ごめん…その、分かってるつもりなんだけど、やっぱり昔の悠乃との記憶のほうが多いから」





まだまだ慣れるまでには時間が必要ってことなのかな。





「それなら、昔の俺を忘れるくらい、今の俺といっぱい思い出作ろ!」





悠乃は真っ直ぐな瞳で私のことを見つめた。





その頬はほんのりと赤く染まっているようにも見えた。
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