*続*恩返しは溺甘同居で!?~長期休暇にご用心!

 キッチンからの音で紅茶の準備が整ったことが分かったから、私は窓から離れて対面式キッチンの前まで行った。

 「運びます。」

 「じゃあお願いしちゃおうかな?こっちはアンジュちゃんに。」

 トレイの上に乗せられた、浅めの磁器ボウルにはお水が入っている。

 「トレイごとアンジュちゃんに出してあげてね。」

 よく見るとそのトレイは逆さまになっている。このまま置いた方が器に高さが出るから、犬にとっても飲みやすいのだ。

 「ありがとうございます。千紗子さん、詳しいですね。」

 「私もいつか犬が飼いたいと思ってるの。だから今は勉強中。」

 「そうなんですね。」

 「さ、紅茶も入ったわ。杏ちゃん座って。」

 「はいっ!ありがとうございます。」

 アンジュが水を飲み始めるのを確認して、私はダイニングテーブルの方へと駆け寄った。

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