*続*恩返しは溺甘同居で!?~長期休暇にご用心!
トクントクンと、規則正しいリズムを刻む音。
耳に当たる彼の胸から聞こえる、その音の心地よさに身を委ねていた。
―――どれだけの間そうしていたのだろう。
「一目惚れだった。」
「えっ?」
なんの前触れもなく頭の上から降ってきた声。
「今、なんて……」
反射的に顔を上げようとしたら、背中に回っている腕に動きを止められる。私の動きを遮るみたいに。
「このままで―――」
やっぱり言葉でも制されて、彼の腕の中で大人しく次の言葉を待つことにした。
「ありがとう」の言葉の代わりなのか、頭上に柔らかな口づけが落ちる。
少しの間黙っている修平さんは、ややクセのある私の髪の毛先をくるくると弄んでいた。
(修平さん??)
彼が何をしたいのかさっぱり分からないけれど、されるがまま待つことにする。
私の髪に触れているのとは反対の腕は、しっかりと私の腰に回され、ぎゅっと密着したままだから、私の心臓はもちろんなのだけれど、意外なことに修平さんの鼓動もドクドクと速くなっている。
(どうかしたの?なんだか緊張してるみたい……)
修平さんの様子がなんだかいつもと違う気がして、それを聞こうかと口を開きかけたその時―――
「この河原で初めて杏奈に会った時から、ずっと君のことが気になっていたんだ。」
春雨のような静かに言葉が降ってきた。